使われ続けるみすず細工
みすず細工(スズタケで作られた竹細工)について何回か記事を掲載しましたが、過去のものだと思われている方も多いのではないでしょうか?
みすず細工に取り組んで行く中で徐々にいろんなことがわかってきました。
今回は、“今でも大事に使われているみすず細工”と“買うことができるみすず細工”についてお知らせします。
<井上さんのきりかご>
以前、「みすず細工のあった風景」の記事でご紹介した井上さんのきりかごです。
ぶどうの収穫時期(9月中旬)に訪問して、使用中のみすず細工の様子を見させていただきました。
ぶどう棚からぶら下がっているみすず細工。なかなか良い雰囲気ですね。
<篠田さんの茶わんかご>
篠田さんのお母様が1983年に作ったかごは今でも使われています。
お母様は畑仕事の合い間にビクやザル・カゴを作っていました。
このかごはお母様のアイデアの詰まったものです。親戚の家の上棟式で餅投げ用の餅を入れてその後使うことの出来る記念品にしました。20枚も作ったそうです。
篠田さんは洗ったタッパーや鍋を入れて庭先で干すのに使っています。小ぶりのかごで使いやすいそうです。
篠田さんのお宅にお邪魔して記事の内容を確認しているところに、新築した当の家に住んでいる洞沢さんが偶然やってきました。お二人は、昔のことを思い出しながら、穴が開いても和紙を貼って使ったことを教えてくれました。かごの内外の両側に和紙を貼り、コガキで作った柿渋を塗ったそうです。補強されたかごに炭などを入れて最後まで大事に使ったと懐かしそうに話してくれました。
<友人の行李類>
友人夫婦の家で何気なく棚を見ていたところ、フロッピーが入っていた小物入れがみすず細工でした。
その時はカメラを持っていなかったので、数ヵ月後に訪問すると模様替えされていました。その部屋のみすず細工は、なくなっていました。
みすず細工についてご主人と話していると、奥様がわざわざみすず細工を別の部屋から出して来てくれました。奥様のお母様が使っていたものだそうです。
大きな行李は、今でも衣類を入れて大事に使われていました。
フロッピーが入っていた文庫は内側に色づけされた和紙が貼ってありました。
今は何も入っていませんが裁縫箱も形見の品です。素敵ですね。
<まるものごみ入れ>
旅館の「まるも」さんにお泊りになった方から、「まるもさんにみすず細工がありましたよ」と聞きました。
まるもさんをお訪ねしたところ、確かにありました。
いつも洗面所に置かれているごみ入れだそうです。
いつからあるのか詳細はわかりませんでしたが、旅館の雰囲気に馴染むものを選んで荒物屋さんから買われたようです。
「珈琲まるも」(旅館の隣に併設されている喫茶店)さんで見させていただいたのですが、ここでも良い味を出していました。
まるも
松本市中央3丁目3-10 地図
TEL 0263-32-0115
ホームページ → こちら
<骨董屋さんのみすず細工>
松本市の骨董屋さんには何気なくみすず細工が陳列されています。陳列というよりは、入れ物として使われていることもあります。
松本城の近くの「アンティークスペース 岳」では、必ずと言っていいほどみすず細工が見られます。
売り物なのかどうなのか、わからない感じの物もあります。そんな時には、「これは売ってもらえるのでしょうか?」と、勇気を出して声を掛けてみましょう。私もそれでオカモチを買うことができましたよ。
番犬の大きな黒い犬がいますが、とても大人しいので大丈夫ですよ。
アンティークスペース 岳
松本市大手3-5-8 地図
TEL 0263-35-3913
(不定休なので、電話をしていただいたほうが確実です)