松本の象徴と言えば、国宝・松本城。1593~1594年にできた五重六階の天守は現存するものとしては日本最古と言われています。明治には天守消滅の危機もありましたが、そのつど市川量造、小林有也というリーダーが広く住民に呼びかけ、保存・修理が成し遂げられたことが、今の“いざというとき”に結集する松本人気質ベースになっているのかもしれません。
江戸時代に松本城を中心に形成された城下町は、今でも市街地の基盤になっています。市では現在、幕末維新期の史実に基づいた南・西外堀の復元を進めていますが、それはお城が松本人の心の拠り所であるばかりではなく、江戸時代の暮らしや街並みに想いを馳せながら散策できる街道・小路がそのまま残されている魅力にも起因しています。そして国の重要文化財である旧開智学校は明治、同じく重要文化材の旧制松本高等学校は大正、そして当時の様子を今に留める数々の看板建築やレトロな宿や喫茶店などもあちこちで出合うことができます。松本はタイムトラベルできる街です。