まつもと湧水巡り「なわて若返りの水」ナワテ通りとかえるの話

2021.6.28
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まつもと湧水巡り「なわて若返りの水」ナワテ通りとかえるの話

松本市中心市街地に位置する「ナワテ通り」では、毎年6月は、「松本かえるまつり」が開催され日本全国からかえるファンが集まっていました。
18年間続いていたかえるまつりは、コロナの感染予防のために、2020年・2021年は祭りは中止となりました。

マスクをつけたゴウタ君

ナワテ通りのマスコットキャラクター通りの東にいる「ゴウタ君」もマスク着用中

ゴウタ3年6月

ナワテ通りの6月の風物詩であった「松本かえりまつり」のカエルですが、そもそもなぜ蛙なのでしょうか?

通りを歩いていくと中ほどにカエル大明神が祀られているのが見えます。

カエル大明神

カエル大明神

蛙の由来

縄手と蛙

少し歴史を振りカエル

江戸から明治

ナワテ通りは江戸時代、女鳥羽川と松本城総掘りの間にあった土手でした。

明治に入り、明治天皇の御巡幸が行われる際、南の総掘りを埋め立て明治天皇をお迎えするために「四柱神社」が建立されました。

四柱神社

三の丸の総掘りを埋め立てた跡地に、警察署・郵便局・市役所なども徐々に立ち始め
新しい町は賑やかになると共に、四柱神社の参道的な役割としてナワテ通りは、栄えて行きました。

縄手

戦後

昭和に入り大戦の後、ナワテ通りには闇市のようなテントが立ち始めました。
大陸から引き揚げてきた人、都会から疎開して来た人、お祭りの時に屋台を出すテキヤの人いろんな人が、ナワテ通りで商いをするようになりました。聞いた話では、毎朝リヤカーを引いてテントを張り日々商いをされていたそうです。

川とナワテ通り

女鳥羽川を清掃する様子松本市HP「写真集 昭和45年」お借りしました。

高度成長期の時代、まだ松本では大型店は街中に出現してなく、街中の個店はいつも人で賑っていました。
そんな中ナワテ通りでは、テントでの商いを止めて商業組合を作ることでプレハブの店舗を通りに作ることが決まりました。その頃の女鳥羽川は、流された汚水で川は汚れていました。川を綺麗にしようと、「女鳥羽川をきれいにする会」もその当時に生まれたようです。

←写真 女鳥羽川一斉清掃の写真。市民ボランティアの輪が急速に拡大して行った時代です。

 

カジカガエル 撮影S.KURASAWA

 

ナワテ通りでは、昭和46年に「ナワテ通り商業協同組合」を設立する際に、清流にしか生息しないと言われるカジカカエルが、再び棲めるような綺麗な川にしたいという願いを込めて
翌年昭和47年に通りに「カエル大明神」をお祀りしました。

毎年1月2日とかえりまつりには、神主さんをお呼びして神事も執り行われます。

3年程前からナワテから上流でカジカガエルの生息が確認されました。毎年綺麗な鳴き声が聴こえて来ます。

 

1970年代~

50年前にカエル大明神が祀られてからナワテ通りは、かえるの町になりました。高度成長期の1970年代は、街が賑わい商店街でもかえるの着ぐるみを作り、イベントを催したり大きなカエルの人形などを作っていました。

縄手通り3年6月

1990年代~

時は流れ1990年代に入りバブルも崩壊し、大型店に押されて街中の商店街は衰退し始めていました。

いつの間にかカエル大明神は忘れ去られて、誰もかえるの町と呼ばなくなってきました。

カエル大明神の絵馬3年6月

女鳥羽川に親水公園を作るという名目で、松本市はナワテ商業協同組合のプレハブの店舗を取り壊すという計画を立てました。
しかし松本市民の熱い思いでナワテを残す運動が始まりました。その後市民の思いが伝わりナワテは存続出来ました。

2000年~

ナワテ通り商業協同組合は、プレハブの店舗から3年間かけて新しく木造建築の店舗に生まれ変わりました。
カエル大明神も場所を中央に移り、新しい神社に変わりました。

カエル大明神の隣で商いをしているお店の人が、新しいカエル大明神にカエルのぬいぐるみを持って写真を撮っている人を何度か見かけて、これはどういうことだろうと調べてみたところカエルが好きな人が世の中に沢山いることを知りました。

そして「松本かえるまつり」が誕生しました。かえるまつりと共にかえる好きが集まり、かえるを扱う店が増えました。
外国人の間では、「FROG STREET」と呼ばれ親しまれています。

第17回かえるまつり

ナワテ通りのかえるたち

通りには多くのカエルの石像やカエルの顔抜き、カエルの専門店もあります。

なわて若返りの水

松本市の「水と緑の空間整備事業」 平成29年度₍2017)年度完成.2箇所から水が流れています。

若返りの泉3年6月

カエルに因みに命名されました。

説明文
カエル

ガマ侍

2005年ガマ侍

松本かえるまつりが始まったのは、2001年。本来ならば、今年20周年の予定でしたが残念です。
2005年に東京藝術大学デザイン課の1年生から芸祭で作った大きなカエルのお神輿をもらって欲しいという連絡が入りました。
かえるまつりの直前のことでした。それから上野まで軽トラでガマ侍を取りに行き夜遅くにナワテに到着したガマ侍を皆で降ろしました。それから16年間ナワテ通りの西口の入り口に置いてあります。

いつのまにか、ナワテのシンボルとして有名になりました。カエルが嫌いな人は、この前を通るのも嫌だという話を聞き程リアルなガマ侍です。

ガマ侍 2012年

7年後の2012年に当時ガマ侍を制作した東京藝大デザイン課のメンバーが2回に分けて、松本に泊まりで修繕に来てくれました。

2012年ガマ侍修繕中

当時の作業の内容は、「松本かえるまつりブログ」もご覧ください。

http://kaerumatsuri09.naganoblog.jp/d2012-06-11.html

htmlhttp://kaerumatsuri09.naganoblog.jp/d2012-06-13.html

ガマ侍2012修理

2021年ガマ侍修理前

3年3月27日

2021年6月2度目の大修理は、地元の業者さんがおこない6月28日無事完成しました。

ガマ侍3年6月28日

カエル

弁天前カエル

メトバ

メトバ3年6月度

カエル大明神のにゃんこ先生

最近は野良猫さんのお気に入りの場所なのか、ちょこんと座っている姿を見かけます。

にゃんこ先生

 

2018年3月全面改訂版として新たな「まつもと水巡りマップ」を作りました。

「水巡りマップ表」

「水巡りマップ裏」

関連記事もご覧ください。

「まつもと水巡りマップ2018」①お堀の水をたどる~前半

「まつもと水巡りマップ2018」①お堀の水をたどる~後半

「まつもと水巡りマップ2018」②時代とともに守られた水

「まつもと水巡りマップ2018」③中町ぶらり~水の生まれる街~前半

「まつもと水巡りマップ」③水の生まれる街~後半