松本市郊外に位置する松本民芸館は、「なまこ壁の蔵造り」の建物で、雑木林の庭のある静かな心休まる空間です。
中町の「ちきりや工芸店」の店主の故・丸山太郎氏が、柳宗悦の民芸運動に共鳴し、昭和37年に創館しました。「無名の職人たちの手仕事で日常品」であるものに美を見る民芸の心が、氏の「美しいものが美しい」という書によく表れています。
丸山氏は、昭和58年に松本民芸館の土地・建物と収集品のすべてを松本市に寄贈しました。丸山氏の遺志を継ぎ、今は市が運営しています。
常設展では、膨大な収蔵品のうち約800点を展示しています。水甕(みずがめ)・猪口(ちょこ)・壺・漆器・銭箱・箪笥(たんす)・郷土玩具などが、土蔵風の建物の中にしっくりと配されています。日本のものばかりでなく、朝鮮白磁・青磁等世界各地の陶磁器・木工品・染織品・ガラス器・民族衣装なども展示しています。
2階の窓からブドウ畑の向こうに北アルプスが見え、至福の時を過ごせます。
庭は無料で入って散策でき、特に紅葉の時はとても美しいです。