県天然記念物 穴沢のクジラ化石
旧四賀村一帯には泥や粘土が堆積して出来た泥岩が広く分布し、 別所層と呼ばれています。別所層は別所温泉付近を模式地として付けられた名前ですが、泥岩が多く、一部に薄い砂岩や石灰岩をはさんでいます。
貝の化石や魚のウロコ・骨くじら時には植物の化石を産出します。
昭和11年に穴沢川の砂防工事中に発見されたクジラの化石です。発見されたときには、12個の脊椎骨と8本の肋骨が見られました。しかしその位置が移動し正しい位置を示していません。それは堆積してから後の隆起を伴う圧力によってその位置が変わったものです。
このクジラは正確にはわかりませんが、ハクジラの一種と考えられています。
クジラの化石は新第三期時代の堆積岩の中から1個あるいは2個の堆骨や肋骨が出てくることはありますが、12個もの脊椎骨が並んでいる例はありません、大変珍しいことなので、昭和13年に長野県の天然記念物として指定され、現地に保存されているわけです。貴重な化石ですから大切に保存しましょう。 理学博士 田中邦雄(現地の説明文より)
穴沢のクジラ化石
- 指定等区分 県天然記念物
- 指定年月日 昭和48年(1973)3月12日
- 種別 地質鉱物
- 所在地 松本市取出大平1236-1
- 所有者 松本市
標高650m、かつては海の中でした
穴沢のクジラ化石は、昭和11年12月穴沢川の砂防工事中に発見されたものです。
別所層(1500万年前海に溜まった泥岩層)の地層から出土し、昭和48年長野県天然記念物に指定されました。
指定は「脊椎骨12個 左側の肋骨2個 右側の肋骨6個 他に棒状の骨1個」で頭部は欠けていますが、歯クジラの仲間の化石と推定されています。
化石は、発見後現地に産状のまま保存され、展示公開されています。(松本市HPより)
*現地の説明文には、昭和13年に県の天然記念物として指定されたと書かれていますが、長野県・松本市HPでは、昭和48年に長野県天然記念物に指定されました。 と書かれていますが、真相はわかりません。
発見から80年ほど経ち風化が進んでいます。2018年秋ごろより修復作業がおこなわれたそうです。