まつもと湧水巡り「鯛萬の井戸」塩屋小路から鯛萬小路に&裏町のこれから
上横田町、下横田町(裏町)は、東町の枝町として江戸時代からとても栄えていました。
塩屋小路
城下町を守るための寺が並ぶ町人の町
城下町の東側には善光寺街道の通りである東町が南北にとおり、その東側には上横田町・下横田町が東町に並んでありました。東町と上下横田町とは小路と呼ばれる何本かの道で繋がっていました。東町も上・下横田町も町人が住む町でした。
横田町の東側は城下町の外れになります。ここにはお寺が置かれていました。これらのお寺は、城下町が造られた時に、城下町を守るために計画的に造られました。他の城下町にもお寺が集まっている町があって、寺町という名の町になっているところもあります。松本では寺町と呼びませんが、ほかの城下町と共通しています。(出典:国宝松本城公式HPより)
観音小路や正行寺小路は門前町さながらで、広い境内の空間では芝居興行や子供の相撲などの催事場であった。ここにつどう人々の往来によって、横田町は東町の宿場街と共に呼び込みの茶屋渡世の多いことが特色となっていた。
(出典:よみがえる城下町・松本)
*地図の画像は国宝松本城公式HPより頂きました。
恵光院
下横田町 裏町
裏町を歩いていくと家と家の間に小さな小路があります。
小路の入口に「鯛萬の井戸」案内の素敵な看板があります。
この小路は小さなお店が連なり狭い路を歩くと、人の敷地内を通らせてもらっているような感じがあり、何度通ってもドキドキします。
下横田町公民館
少し久しぶりに来たら新しい公民館が出来ていました。おやすみ処のベンチも並んでいます。
裏町から鯛萬小路を抜けていくと、雰囲気が変わります。
鯛萬の井戸
平均水温13.2℃の冷たい水です。街なみ環境整備事業により周辺を井戸公園として整備しました。
鯛萬の井戸は、大正11年生活密着の井戸として料亭「鯛萬」によって掘られました。
現在鯛萬はありませんが、井戸は残り公園として多くの人に親しまれ、使用される井戸となりました。
湧く清らかな水
鯛萬の井戸公園
井戸も周りは小さな公園になっていて、とても綺麗に整備され掃除も行き届いていて気持ちのいい空間です。
防災用でしょうか。手漕ぎポンプ井戸もあります。
沢山の柄杓(ひしゃく)やじょうごが吊るされています。
管理されている下横町の方々の気持ちが伝わります。
柄杓とじょうごをお借りして水を汲む。
裏町
裏町という名前は、日本中どこにでもありそうな名前です。表裏があるなら、松本の表町はどこを表しているのでしょうか。
親町であった東町の裏通りということから一般にそう呼ばれるようになったそうです。
『裏町』をコトバハクで検索してみると
精選版 日本国語大辞典
《名》 表通りの裏側にある町。裏通りの町。うらちょう。⇔表町。
そもそも松本の裏町は、かなり表の顔を持っていたように思います。
松本城を救ったと言われている市川量三さんは、裏町の出身です。
世界的にも有名な「スズキメソード」は、裏町から生まれました。
昭和の時代までも、大きな料亭があり賑やかな町でした。
町が静かになって時は流れています。
最近は、「信州松本うら町レジリエンス協議会」が発足され活気ある町にしようと頑張っている人たちがいます。
第2回公演『オヒガンホリデー』@スタジオ365松本うら町
松本うら町の活性化を図るプロジェクト
かつて繁華街として栄えていた「松本うら町地区」を再び元気を与える地域として、再起力=レジエンスを生み出すことを目的として、空き店舗を活用した演劇イベントやまちづくりフォーラムの開催、うら町を題材としたムービ制作などを行います。
2021.6.25 (金) 〜 2021.6.27 (日)
会場:スタジオ365松本うら町
*詳細は、こちらをご覧ください。
2018年3月全面改訂版として新たな「まつもと水巡りマップ」を作りました。
関連記事もご覧ください。