「開智学校と地震」国宝旧開智学校校舎企画展
松本市が誇る「国宝旧開智学校校舎」明治6年(1873)5月6日に開校して、明治9年に建てられた擬洋風の校舎は、昭和38年に現在の場所に移築され、博物館として一般公開されています。今月いっぱいで耐震補強工事をおこなうために約3年間休館になります。
企画展「「開智学校と地震」
国宝旧開智学校校舎では、東日本大震災から10年となる今年、地震との向き合い方を考えるため、開智学校と地震の歴史について資料をもとに紹介します。また関東大震災や防災教育のあゆみに関する資料も展示します。
百年前の地震への備えの心持ち
展示会場は、1階の3つの教室で開催しています。
旧開智学校校舎学芸員の遠藤さんにお話しを伺いました。
学校の日誌より読み解く
明治29年6月15日の学校日誌に災害に関する記述を探し展示しています。数十年分の残された日誌から災害に関する記述を丁寧に探していく作業は、想像しても地道な作業です。
29年6月15日の学校日誌の枠外に書かれた内容を解説してパネルにしています。
明治31年 三陸沖地震での寄付に関する感謝状も展示
開智学校の避難の仕方
開智学校での初めての避難訓練
関東大震災と開智学校
大正12年に起きた「関東大震災」では、当日土曜日で早く学校が終わったため幸いにも子どもたちは学校にいませんでした。
屋根の瓦が2.3枚落ちたようです。
災害の多い松本
松本の主な災害の歴史
水害
移築前の開智学校の模型です。北側は、女鳥羽川に面していて、台風などの水害にも何度もあっていたようです。
この写真を見ると被害の大きさが伺えますが、わずか1か月で修理を終えたとは、驚きます。
関東大震災
松本では、特に大きな被害はなかったようですが、当時の新聞や写真などが展示されています。
戦前の防災教育
松本市における戦後の防災教育では、水害や火災に関する教育が主でしたが、阪神淡路大震災以降は、地震も対象になったそうです。
耐震補強工事について
6月から3年間ほどかけて耐震補強のため大規模な保守工事が始まります。現在の建物を損なわないようにするために壁や床を解体して、壁の中、床下などに補強用の合板、金属の引っ張り棒など外観を損なわない手法で工事をします。文化財的な価値を損なわないように、文化庁から承認を受けた人が設計監理に入ります。
とても丁寧な手法ですので、3年以上もかかるそうです。
令和3年6月から3年ほどかけて旧開智学校校舎の耐震工事を行います。(令和6年秋に開館予定。)
工事中は休館となります。皆様にご不便をおかけしますがご理解とご協力をお願いいたします。休館中は、隣接する県宝旧司祭館で旧開智学校校舎の紹介展示や旧開智学校ミュージアムショップの営業など、ご来館いただく皆様に楽しんでいただける工夫を検討しておりますが、工期を含め、詳しい情報は決まり次第更新させていただきます。
国宝旧開智学校校舎レポート 市民記者ブログ
「天使はずっと見守っていたわけじゃなかった「国宝旧開智学校校舎と立石清重」近日公開します。