白馬・杓子岳 東壁スキー滑降

レベル:
山行日: 2017.05.12
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白馬・杓子岳 東壁スキー滑降

「白馬・杓子岳(しゃくしだけ)」は、後立山連峰と言われる白馬の山々の中の
白馬三山の中央に位置する台形の山です。白馬に行くとこの白馬三山がキレイに
見えるので目に付きます。

今回は、5月の残雪期にスキーを使って白馬大雪渓を登り、杓子岳へ登頂して、
帰りは、上記の画像の杓子岳の右肩から東壁をスキー滑降して帰ってくると
いうルートに、またワンデイで挑戦してみました・・・。残雪期の山々の美しい
景色を楽しんで頂ければと思います。

アクセス

杓子岳の登山口である猿倉へのアクセスは、白馬三山の記事をご覧下さい。
白馬三山」 僕達は猿倉登山口へ車で行き、そこからスタートしました。

猿倉→白馬大雪渓(1時間半)

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朝というか、まだ真っ暗な闇が支配する深夜3時に、友人と集合。そこから2人で
一緒に猿倉登山口からヘッドライトで白馬大雪渓にに向かって歩いて行きました。
5月中旬の猿倉山荘はまだ残雪がいっぱいだったので、山荘のスグ上からスキーに
シールを付けて登っていくことができました。

 

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白馬尻まで約1時間ほど。そして白馬尻を越えた辺りで、朝日が上がってきました!
この一瞬、5分ほどなのですが、白馬大雪渓がオレンジ色に染まっていきました!!
真っ暗な蒼い闇の世界が、幻想的で感動的な色合いの世界に変っていく、素晴しい
時間なのです!

 

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向かっていく白馬大雪渓も、ご来光で美しいピンク色に染まっていったのでした!

陽が上がって明るくなると、向かう稜線にはブ厚い黒い雲が掛かっているのが見えて
きました。「今日はこれから晴れてくれるのだろうか?・・・。」という、一抹の不安を
感じながら、でもご来光のピンク色の色合いには感動しながら、登って行きました。

 

白馬大雪渓→杓子岳山頂(3時間半)

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朝日が上がる前から出発したので、誰もいない白馬大雪渓を満喫しながら登ります。
朝日が上がってくると一気に気温が上がり、雪が緩んで来ると両側の崖の上からは
小さな雪崩や落石などが落ちてきます。とても危険なので、この時期の白馬大雪渓
は気温というコンディションも考慮する必要があるかと思われます・・・。雪崩なども
考えて僕達は深夜スタートにしたのでした。

 

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白馬大雪渓から杓子岳山頂方面を見ると、相変わらず暗い雲が掛かっていました。
天気が良いと、ここから「天狗菱」と言われる鋭く尖った岩峰が見えるのですが、
今回は見えませんでした・・・。

 

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白馬大雪渓上部の「葱平(ねぶかっぴら)」に来ると、さすがに急斜面になって
きたので、スキーシールでの登攀を諦めてアイゼンに切り替えました。バックは
雲の中から時々顔を出す「白馬岳」山頂方面です。

 

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そして、白馬岳と杓子だけの間の稜線に出ると、案の定ですが雲の中で真っ白に
なってしまったのでした。そして風がとても強くてマイナス気温の状況でした!
この日、都会では30℃近かったらしいのですが、北アルプスの白馬の稜線では、
まだ真冬のマイナス気温の世界でした!

しかし、この厳しい状況でもまだ行動できる範囲内だったので、一応杓子岳へと
向かっていくことにしたのでした。深夜から登ってきているのでまだ時間は早いし、
体力も十分。 この時は杓子岳がダメだったら、逆の白馬岳か白馬鑓ヶ岳方面へと
行ってもイイかなとか思っていたのでした・・・。

 

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重いスキー道具一式を担いで、トボトボと薄く雪の積もった稜線の登山道を
歩いていたら、強風の中突然!!、一気に雲が晴れていきました!!
今日はダメかな?と思っていた僕達も、これには驚きと歓喜の声を上げたのでした。

 

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それからも爆風というぐらいに強風で、背中に担いだスキー板が煽られそうに
なりながらも、一気に晴れてきたので杓子岳山頂を目指して登っていきました。
杓子岳へ登る最後の登山道は、砂利でザレた九十九折の登山道なので、僕達の
スキーブーツでは登りにくかったです・・・。

 

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そして、青い空の中に山頂の道標が立っているのが見えます!
もうほんの少しで到着です。

 

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そして、白馬・杓子岳(2812m)の山頂に辿り着きました!
稜線では真っ白な雲の中だったので半ば諦めていたのですが、山頂に辿り着いた
時には一気に晴れて、最高の景色を見ることが出来ました。 バック左に見える
のは、白馬岳(2932m)です。

 

山頂からの景色

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剱岳(2999m)です。 剱岳はどこから見ても非常に格好の良い三角形の山です。

 

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西側の景色です。真ん中の白い山々は、右から毛勝山、釜谷山、猫又山です。
左奥にほんの少しですが尖って見えるのが、剱岳です。そして手前の広大な
スロープは、白馬鑓ヶ岳からの斜面です。

 

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南側には、白馬鑓ヶ岳(2903m)が大きく見えていました! 手前の杓子岳
の斜面は、雪のシュカブラがビッシリと張り付いていて「賽の河原」のように
見えました・・・。

 

杓子岳東壁スキー滑降→猿倉登山口(1時間半)

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そして僕達は、帰りはスキーで杓子岳東壁の斜面を滑降して帰りました。

通常の歩きの登山だと、来た道をそのまま下って帰ることになります。
その時は白馬大雪渓での滑落や雪崩、落石などに十分ご注意下さい。
夏道の登山道のコースタイムでは、杓子岳山頂から猿倉登山口までの
下りは、4時間半ほどとなっています。

 

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【注意!】今回の「残雪期、白馬・杓子岳」は、白馬大雪渓の雪の上を
長い間歩くので、この残雪期はピッケルとアイゼンを使いこなすスキル
が必要ですし、5月とは言っても白馬連峰の山々は時折マイナス気温にも
なりますし非常に厳しい山です。そして、白馬大雪渓では雪崩や落石事故
も非常に多くなってきています。もし、どうしてもこのルートに行きたい
と思われる方は、必ず!冬山登山が出来る専門の山岳ガイドさんと一緒に
行って下さい。よろしくお願いします。

【登山者・記事 ハタゴニアン】