戸隠山
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今回は、信仰の山、「戸隠山」の登山をご紹介したいと思います。
「戸隠山」(1904m)は、古代から信仰や霊山として有名な山でした。
麓には「戸隠奥社」があります。これは善光寺よりもかなり古くから
ある神社で、長野県でも最古の部類の神社なのです。「戸隠奥社」は、
日本神話にある「天照大神」が天の岩屋にお隠れになった時、無双の
神力を持って「天の岩戸」をお開きになった「天手力雄命」をこの
戸隠山の麓に奉斎した事に始まるらしいです。この時の「天の岩戸」
が戸隠山になったとのがい伝えです。 さらに西暦800年代の中頃、
「学門」という名の行者が法華宗の功徳によって、9つの頭を持つ龍を
退治してこの岩戸に閉じ込めたという言い伝えもあるらしいです・・・。
そして、平安末期の後白河法皇によって編集された歌謡集「梁塵秘抄」
に「信濃の戸隠」が登場しているようです。それから1200年もの間
修行の山となり、信仰の山と神社として現在まで在るのです。
アクセス
マイカーの場合:松本インターチェンジから長野自動車道を長野方面に向かい、
更埴ジャンクションで上信越自動車道に入り信濃町インターチェンジで降ります。
善光寺方面に向かい、戸隠バードラインまたは浅川ループラインを通って戸隠へ
向かいます。松本市からは所要時間1時間半ほどです。
公共交通機関の場合:JR松本駅から篠ノ井線に乗り長野駅下車。川中島バスの
戸隠高原行き乗車、「戸隠スキー場」下車。所要時間約80分。または長野駅から
タクシーを利用。所要時間約45分ほどです。
戸隠奥社駐車場→戸隠奥社(40分)
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「戸隠奥社」の入り口の駐車場に車を止めて、そこから登山がスタートです。
荘厳な雰囲気の、とても大きな杉並木の参道を一路奥社へと歩いて行きます。
途中には「随神門」という、大きな萱葺屋根の朱色の門を通っていきます。
「となりのトトロ」が本当に出てきそうな、荘厳な雰囲気がありました。
奥社への参道の杉並木は、とても大きいです。もう何百年も生きている
のだと思います。 朝早くにスタートしたので、辺りはシ~ンとしていて
本当に荘厳な雰囲気で、これから神様にお会いしにいくような感じでした。
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駐車場からスタートして、約40分ほどでこの「戸隠奥社」に到着します。
ここで、もちろん僕たちは「安全登山」を、お参りしていきました。
そして、この「奥社」が戸隠信仰の元となった神社なのです。
この「奥社」の他にも、「九頭竜神社」の社もありました。
戸隠山への登山道は、九頭竜神社の社の左下奥から続いていました。
戸隠奥社→戸隠山山頂(2時間40分ほど)
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「奥社」を過ぎて登山道に入ると、いきなり急登になります。かなりの
急登の登山道になるので、ゆっくりペースで進んでいきました。
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約1時間ほど急登を登って行くと、いきなり岩場が出てきました。
この岩壁の横をあるいていく所が「百間長屋」と言うところです。
昔の修行僧がここで雨風を避けていたのでしょうか?・・・。数体の
お地蔵さんがありました。
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「百間長屋」を過ぎると急に、鎖のある岩場登りになっていきました!
ここから稜線までは鎖を持って岩場を登って行くことになります。
濡れていることも多いと思いますので、ここは足が滑らないように
慎重に足を進めて、鎖をしっかりと持って登っていきました。
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この岩場セクションのハイライトの一つである「胸突岩」です。
ここは大きな岩場を空に向かって真っ直ぐ登って行きます。
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そして「胸突岩」の後スグに、この「戸隠山」の登山道の岩場の中で、
最難関「蟻の塔渡り」が出てきました! 50m程のナイフリッジな感じの
岩場です! 僕たちは座ったり跨いだりして、何とかズリズリと越えて
いったのでした。
この岩場は、右下に迂回コースとして鎖がつけられています。なので、
ここがどうしても怖くて通れないという方でも、この50m程の岩場の
トラバースをしなくても先へ進むことが出来るようになっていました。
高所恐怖症の方は、右下の迂回コースの鎖を使って進みましょう。
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「蟻の塔渡り」を越えるとスグに稜線に出ました。 ここまで白い雲の
中の岩場を登ってきたのですが、稜線に出たら向こう側には雲は無く、
スッキリ青空で晴れたいたのでした。白馬の山々までキレイに見えて
いました!
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稜線に出たところの分岐点を右に進んでいくと、約15分ぐらいで
「戸隠山」の山頂に到着しました。 バックには「高妻山」(2352m)
が迫力ある容姿で聳えて見えていました!
戸隠山山頂→九頭竜山山頂→一不動避難小屋(2時間ほど)
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戸隠山山頂で景色を見ながらゆっくりと休憩した後は、稜線を縦走
するように歩いて、「九頭竜山」→「一不動」と進んでいったのでした。
戸隠山~九頭竜山~一不動の稜線歩きは、けっこうアップダウンが
ありました・・・。そして時々、この画像のように右側がスッパリと
断崖絶壁に切れ落ちているところがたくさんありました! 覗いて
みると遥か下方まで垂直に落ちているので、足がすくんでゾクゾク
としてしまいます!
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「戸隠山」を過ぎてから30分ほどで「九頭竜山山頂」に到着です。
でも「九頭竜山山頂」は、登山道横の広場のような感じの広場だけ
だったので、何だか山頂という雰囲気はなかったです・・・。
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「九頭竜山山頂」を過ぎても、かなりのアップダウンが続きます。
でも、最後は一気に下る長い急な坂を下っていき、疲れたなぁ~と
思った時に、ようやく「一不動」の避難小屋に到着しました。
ここでも大休止をして、お昼ご飯を食べてカロリー補給をしました。
この避難小屋の裏手には、携帯トイレ用の小屋がありました!
戸隠周辺では、携帯トイレの施設がとても充実していました。
携帯トイレ用の小屋ももちろんですが、使用済み携帯トイレを
捨てるゴミ箱もちゃんと設置されていて、登山者は快適に感ると
思います。最近は山では携帯トイレがマナーになってきています。
山も汚さず、トイレ設置にも巨額のお金が掛かる訳ではないので
このようなトイレ事情が増えてきているのです。戸隠山周辺は
充実していて、とても良いと思いました。
不動避難小屋→戸隠牧場→ささやきの小径→奥社参道(2時間20分ほど)
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「一不動」の分岐点から戸隠牧場まで、また一気に下っていきます!
最初は水の無い沢状地を歩いて下ります。 すぐに「氷清水」という
水場があり、そこから水が流れていて川の中を歩くことになります・・・。
靴がゴアテックスの防水でなければ、水びたしになってしまいます!
ここを歩く時は、完全防水の靴が必須ですね!・・・。
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川の中を歩いて下っていくと、その川が滝になっている所の上に出ました。
これは下側から撮影した写真ですが、「不動滝」です。登山道はこの滝の
上に出るのですが、滝の上から左へと巻いて下っていくのです。
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この「不動滝」を、鎖に沿って下りて行きます。足元が濡れた岩場なので、
足元には細心の注意が必要です!
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「不動滝」で滝のセクションは終わりかと思っていたら、もう1箇所
小さな「滑滝」という滝を鎖を使って下りるセクションがありました!
ここでは滝のスグ横に鎖があって、そこを降りて行くのでした。スリル
満点でした!
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その後も、登山道は何回も川の中に入ったり、川を渡ったりします。
迷わないように赤い印やピンク色の目印を見つけて歩いていきました。
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沢の一番深いところには、まだ雪が残っていました! 都会ではもう
30℃を越えている日がある中、やはり山の中ではヒンヤリとしていて
とても爽やかで気持ちイイですね。
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その後は、眩しい程の新緑の美しい森の中を抜けていく快適な登山道を
気持ち良く歩いて下っていきました。でも、ここまででももう6時間程も
歩いてきているので、足は痛かったです・・・。
この柵からは「戸隠牧場」になるようです。柵の所に注意書きがあり、
「牛が病気にならないように足元を消毒して下さい」と書かれてあり
ました。足元には石灰が撒かれて白くなっていましたので、僕たちは
その白い石灰を踏んでから牧場へと入っていきました。
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戸隠牧場に到着です。 緑溢れる新緑の季節はとってもキレイでした!
牧場の施設には、牛さんも馬さんもいましたよ~。
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戸隠牧場を過ぎて、戸隠キャンプ場のバンガローの立ち並ぶところから
戸隠奥社の参道の「随神門」へ繋がる「ささやきの小径」を通って
帰っていきました。ここも新緑溢れる静かな森の中を歩けます。
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そして、やっと「戸隠奥社」の参道まで戻ってくることが出来ました。
「ささやきの小径」は約3kmの森の中の道なのですが、疲れていたので
とても長く感じました・・・。
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そして、このスタート地点である参道の鳥居を抜けてゴールです。
全行程で、約7時間半の登山でした。
今回の「戸隠山」は、前半の登りは鎖のある岩場の連続した登山コース、
後半の下りは急な登山道と新緑溢れるトレッキングという感じでした。
神様の住む信仰の山として有名な戸隠山、この時期は高山植物もたくさん
咲いていて、とても楽しい登山ができました。登りの岩場が不安な方は
必ず登山ガイドと一緒に行って下さい!遭難事故が今年は多いようです。
くれぐれも安全登山でお願いします。
【登山者・記者:ハタゴニアン】