諸国工芸品が揃った、老舗民芸品店。
全国・世界各地の窯元の焼き物や染物、かごなど、暮らしを豊かに彩ってくれる品々が並んでいる。
松本民芸館を創館した丸山太郎(1909-1985)の店で、家族が引き継ぎ経営している。
「用の美」を提唱し、無名の工人による工芸品・日用品に宿る美にスポットを当てる民芸運動の旗手であった柳宗悦(1889-1961)に共鳴した丸山太郎氏は、家業であった老舗問屋の事務所の一角を「ちきりや工芸店」として経営するほか、自らも国内海外を問わず民芸品を収集し、工芸品の制作、グラフィックデザインなどもしていました。
丸山太郎氏のデザインした棚や意匠が今もそのまま使われているほか、窯元や取り扱い先も、その頃から付き合いがあるところがほとんどです。
取り扱いのある代表的な窯元は砥部焼(とべ・愛媛)、出西窯(しゅっさい・島根)、小鹿田焼(おんた・大分)、湯町窯(ゆまち・島根)など。
型染め作家柚木沙弥郎氏の図案による型染め布の額や、インドのブロックプリントの布や日本の竹かご、アジアのかごバッグなど、布もの・かごものも充実しています。
丸山太郎氏の娘さんの丸山眞佐子さんはご高齢ですがほぼ毎日店に立たれており、お話を伺いましたが、「とにかくこの店の雰囲気を楽しんでもらい、その人なりのお気に入りを見つけて欲しい」とおっしゃっていました。