尼巌山・奇妙山

レベル:
山行日: 2009.04.12
49
標高:780.9m
尼巌山・奇妙山

尼巌山奇妙山
尼巌山(あまかざりやま 写真左)と奇妙山(きみょうざん 写真右)は、共に長野県長野市松代にあります。
尼巌山は標高780.9m。山頂の看板の記述では、鎌倉時代以前に築城された尼巌城(別名:東条城ひがしじょうじょう)があったとのことです。約400年間山城として使われていましたが1598年に廃城となりました。山頂付近には城の名残として堀の跡があります。
奇妙山は標高1099.5m。養蚕隆盛を祈る山、また御嶽信仰の山として昔から里の人々に慕われていたようです。山頂付近には石碑や石仏があります。

アクセス

マイカーの場合 長野自動車道松本インターから高速道路に乗り、北に向かいます。更埴ジャンクションで上信越自動車道に入ります。(松代サービスエリアでトイレ休憩をお薦めします。)長野インターで高速道路を下りて、交差点を左折して南に向かいます。信号機「長野インター南」を右折、その後信号機「上高相」を左折、そのまままっすぐ進み三叉路で左折、まっすぐ進むと突然細い道になりますがそのまま進みます。東条小学校を過ぎ、左手に鳥居があるのでそこに車を停めます。 玉依比売命(たまよりひめのみこと)神社を目標にするとよいでしょう。
周辺地図

やまたみ倶楽部の登山

今回の山行は、やまたみ登山学校の卒業生中心の会として今年2009年4月に発足したやまたみ倶楽部(正式名称:やまたみ登山学校OB会やまたみ倶楽部)の第1回目の登山でした。山のシュンランやダンコウバイの花を楽しむ他に麓のあんず畑の花も楽しみながらの企画で、今年は春先に気温がぐんぐん上がり当初の予定を1週間早めました。しかし、気温上昇が著しく満開の時期を逃してしまいました。もう3~4日早いと最高だったと思います。
この1年間は講師の方の指導によって登ります。今回は飯島さんに同行していただき、バラエティに富んでいる尼巌山・奇妙山はWストック(ストックを2本使用)の用意をしたほうが良いとの事前のアドバイスがありました。

玉依比売命神社の鳥居~池田の宮登山口 3分

鳥居からスタート玉依比売命神社(たまよりひめのみことじんじゃ)は「池田の宮」とも呼ばれています。鳥居の周りで準備体操。鳥居から登山口までは平らです。登山口には簡易トイレがあるそうですが、気付かずに通り過ぎてしまいました。話に夢中になっていたためか、神社の入口にも気付きませんでした。主祭神の玉依比売命は初代神武天皇の母君、神社にはまがたま等が日本最多の800個あるそうです。時間があれば神社に寄るのも良いでしょう。

池田の宮登山口~北尾根・南尾根分岐 25分

池田の宮登山口
石垣の階段を登って池田の宮登山口から入ります。しばらくすると石碑があります。登山道の脇にはバラ線(とげがついた針金の線)が張り巡らされていました。きのこシーズンには犬が放されることもあるようです。ご注意下さい。
ゆるやかな傾斜で登山道も良く整備されています。シュンランも咲いています。

北尾根・南尾根分岐~尼巌山頂上 50分

傾斜がきつくなる粋の良いシュンラン
分岐から北尾根側に進みます。分岐からしばらくはなだらかなのですが、8分後くらい(4体の石仏がある所)から岩が目立ち始め、急坂になります。
なだらかな登山道の脇にはツヤツヤのシュンランが咲いていました。
眺めの良い場所
岩場を登りきったところに眺めの良い場所があり休憩。ここから頂上までは20分。写真の赤い点が鳥居のあるスタート地点です。

ロープの張られた登山道頂上の看板
尼巌山頂上まで急坂が続きますが、大変な場所にはロープが張られていてよく整備されています。
頂上近くまで来るといくつか堀の跡があります。こんな山の頂上まで攻め入る体力と気力があったなんて考えられません。

尼巌山頂上

記念撮影
これからまだ奇妙山まで行くので10分ちょっとの休憩。頂上は木に覆われているためそれほど視界はよくありませんが、木がない場所から里を見ることが出来ます。

尼巌山頂上~岩沢分岐 45分

頂上から下る
頂上からの下りの傾斜は険しいですがロープが張られているので安心です。標高700m位まで下り、760mまで登り、岩沢分岐の740mくらいまで再び下ります。奇妙山は尼巌山よりも標高が高いため、そのまま下らずに登るだけならば良いのですが、下りが2回もあるのはもったいない気がします。

岩沢分岐~JA総合研究所分岐 25分

ダンコウバイダンコウバイ雄花
登山道の北側は杉林。スギの雄花がいくつも落ちていました。花粉症の方にはお気の毒なコースかもしれません。登山口から木に黄色い花が咲いているのを見かけました。似ているのですがよく見ると3種類の花なのです。ダンコウバイの雄花と雌花、アブラチャンの3種類です。ダンコウバイは雄花と雌花は違う木に咲きます。雌雄異株なのです。雄花はフサフサとしていて雌花よりも華やかな感じです。アブラチャンはダンコウバイよりも黄色みが少なく緑がかっています。花が枝から対になって出ているので近くで見るとダンコウバイとの違いが一目でわかります。写真はダンコウバイの雄花です。

JA総合研究所分岐~奇妙山頂上 60分

JA総合研究所分岐には近くに大きな「出会いの石」があります。
高見岩皆神山
尼巌山を望むこの山行の中で一番見晴らしが良いのが高見岩です。JA総合研究所分岐から5分です。上の写真の台形の山は皆神山(みなかみやま)、標高659m。左の写真の赤い点は、左がスタート地点、右が尼巌山山頂。すっきりとしていれば北アルプスの山々が見えるらしいのですが、この日は霞んでいてかすかに白く浮かぶ山の先端が見えただけで何の山なのか全く判断できませんでした。
登っても登ってもまだ頂上には着かず、「もう目前 ガンバレ」と書かれた札があったのでもう少しかと思ったのですがなかなか着かず、結局札の場所から20分登って頂上に着きました。あの札は奇妙山頂上までのことではなかったのでしょうか?登りの20分は結構長く感じました。

奇妙山頂上

頂上直前の石碑頂上の祠
長野市街地側
頂上直前には石碑があります。ただの岩かと思ったのですが頂上にもいくつも石碑があり、祠もあります。頂上は木に覆われていますが、長野市街地側は視界が開けていて、高妻山や北信五岳(ほくしんごがく)の飯縄山、黒姫山、妙高山が見られるのですが霞んでいるためうっすら見えました。
ほぼ予定時間通りでここで昼食。

奇妙山頂上~岩沢分岐 45分

登りの時にはだまされたと思った「目前」の札までは、頂上から15分でした。下りは足取りも軽いのであっという間に来た気がしました。JA総合研究所分岐も30分もかからずに下って来られました。下りは楽なのですが結構脚がガクガクしていました。

岩沢分岐~岩沢登山口 25分

杉林を歩く滑りやすい坂
尾根沿いの登山道は落葉樹が多く明るい道でしたが、ここからは杉林になるので少しくらい感じになります。しっかりとした歩きやすい登山道ですが、急坂で土が乾燥していて滑りやすいところもありました。

岩沢登山口~玉依比売命神社の鳥居 25分

登山口の下描きたくなる風景
岩沢登山口に出ると目の前にはアンズ畑が広がっています。花盛りを期待したのですが、花の最盛期は過ぎて枝には茶色に変色した花びらが目立ちました。花が咲く順番は、杏→桜→桃ですが、気温が一気に上がったために桜も桃も満開でした。杏の里を描きに来ている人を何人か見かけました。天気が良く温かいので気持ちよく描けたことでしょう。

お薦めのサイト

長野市役所 コース地図(PDF)
長野市役所観光課に問い合わせるとトレッキングコース地図を頂くことが出来ます。
ひらさんのHighトレッキング
尼巌山(2007年2月)
尼巌山・奇妙山(2009年2月)
写真豊富で地図もイメージしやすいです

お薦めの温泉

国民宿舎松代荘
長野市松代町東条3541 TEL026-278-2596
ホームページ
営業時間 10:00~22:00
入浴料 大人500円 小学生200円
武田信玄の「隠し湯」として兵士の傷と疲れを癒したという由緒ある名湯。湯の色は白濁オレンジ色で、体が見えなくなるほどの濃さです。含有物質の種類の多さは全国でも珍しいそうです。飲泉不可と書いてありましたが、ちょっとなめてみたら塩気がありました。湯の温度はやや高め。内湯と露天風呂があります。
効能:切り傷、外傷(やけど等)、胃腸病、婦人病(月経障害、卵巣機能不全など)

記者の感想

尼巌山と奇妙山の二つの山を登ったのですが、中間にも山があったので3つの山を登った気分です。岩沢登山口から下った所で尼巌山と奇妙山の両方の山を眺めたときには「良く歩いた。偉い!」と自分をねぎらいたくなりました。落葉樹が多い山なので芽吹きのシーズンや秋の紅葉も素晴らしいのではないかと思います。
今回のルートは比較的楽なルートです。尼巌山・奇妙山へのルートはいくつもあります。登り下りが大変なコースもあるようなので調べて登ったほうが良いと思います。
尼巌山と奇妙山それぞれに素晴らしい山です。両方登る時間がなければ、花が好きな方には尼巌山、展望を楽しみたい方や急坂が苦手な方には奇妙山がお薦めです。
  【登山者・記者:アルプスちえみ】