五竜岳

レベル:
山行日: 2016.09.16
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五竜岳

今回は五竜岳に夏山登山で行ってきました。「五竜岳」には、今年の1月に冬山登山で
登ってきたのですが、今回はテント泊の1泊登山で行って見ました。

「五竜岳(ごりゅうだけ)」は、長野県・白馬にある、4つのひし形の岩形「武田菱」が
見える有名な山です。標高は2814mです。 五竜岳への登山ルートは、八方尾根から登る
コースと、五竜スキー場から遠見尾根を経由するコースがありますが、今回は、八方尾根→
唐松山荘→五竜山荘→五竜岳ピストン→遠見尾根→五竜スキー場と歩いてきました。

アクセス

登り口の八方尾根ゴンドラまでのアクセスは、「唐松岳 八方尾根コース」を見て下さい。

1日目。八方尾根~五竜山荘(6時間)

001スタートは、八方尾根ゴンドラとリフトを2つ乗り継いで、ゲレンデ最上部にある八方池山荘
からです。僕たちが行った時の八方尾根コースは霧の中で真っ白だったので、詳細は、上記の
「唐松岳 八方尾根コース」をご覧下さい。

015八方池やいくつものケルンを経て、登山地図のコースタイム通り、約3時間ほどで「唐松岳山荘」
に到着しました。 僕たちが登った時は、この時点まで雲の中だったので真っ白で、山の景色は
何も見えませんでした・・・。この唐松岳山荘で天候が悪かったら引き返そうと思っていたのです。

017しかし、唐松岳山荘のテラスでお昼ご飯を食べていたら、風に流されて一気に雲が晴れてきて
唐松岳山頂もキレイに見えてきたのでした! 五竜岳へと繋がる稜線も一気に晴れてきたので、
このまま五竜岳へと登山を続けることにしました!

021唐松岳山荘から、五竜岳へ向かうとスグに「牛首の鎖場」という岩場があります。危険な岩場
なのですが、しっかりと鎖がついていて足場もあるので、慎重に行動すれば、そんなに難しい
ことはありません。岩場歩きが好きな人には、楽しく感じるほどの鎖場ですが、高所恐怖症の
人には、かなり高度感があり怖く感じるかも知れません。

028「牛首の鎖場」を過ぎても、かなり下ります。唐松岳山荘から~五竜山荘の間は、稜線歩き
なので、もうあまり上り下りが無いと思っていたのですが、一気に下ったり登ったりと忙しい
感じで、思ったよりもタイヘンでした。そしてなかなか辿り着かなくて長い気がするパターン
でした・・・。

037それでも何とかコースタイム通りの2時間半ほどで、五竜山荘に到着出来ました。いつもより
結構疲れたように感じました。 さっそく山荘でテント泊の受付をして料金を支払いを済ませ、
テントを設営することにしました。

035五竜山荘まで来ると、雲の切れ間から五竜岳が見え隠れしていました・・・。 予定ではこの日
五竜岳山頂へと登ることにしていたのですが、登っても景色が見えなさそうなので、山頂へ
登るのは2日目にして、この日は登頂を止めておきました・・・。

039五竜岳へ登頂アタックをしないと決めたら、1日目はもう何もする事がなくなってしまった
ので、ゆっくりとテントを設営して、そのテントの中でのんびりする事にしました。

041テントの中では、早速ビールを開けて飲んじゃいました! そしてゆっくりと夕飯を
作って食べたり、明るさがある限り読書をしてみたり、登山地図を眺めてみたりと、
緩やかな時間が流れていったのでした。 小屋泊まりも贅沢でイイのですが、この
テント泊も特別な雰囲気で静かで、とてもイイ感じです。

052そして、山の稜線に泊まったときのハイライトである「夕焼け」は・・・、残念ながら
依然雲が多くて見えませんでした・・・。 でも、それでも雲と雲の間から、ピンク色に
染まっていくのは見ることが出来ました。 約10分ぐらいのキレイなショーでした。

2日目。五竜岳山頂へ。(往復1時間40分)

058朝起きて、やはり最初に確認するのは、「ご来光」が見えるかどうか?だったのですが
やはり雲が多くて「ご来光」も見ることはできませんでした・・・。 ご来光も、昨日の
夕焼けと同じように、雲と雲の間が赤く染まるような感じだけでした。

060ご来光は見ることが出来ませんでしたが、「五竜岳」は雲が無くなってバッチリキレイに
見えていました! 山頂へのアタックを2日目にして良かったです! 朝イチに五竜岳の
山頂へと登って行きました。

065五竜山荘から五竜岳山頂への登山道は、途中何箇所か鎖のかかった岩場があります。
ここも危険な場所にはかわりありませんが、それどほ難しくはありません。一歩ずつ
一手ずつ慎重に進んで行けば大丈夫だと思います。

068鎖場は一度通常の登山道になりますが、もう1回山頂への最後の登りで岩場になります。
コチラの岩場の方が、切れ落ちていて高度感もあり、登りも難しくて難易度があります。
それでも○印のペンキを辿って慎重に登っていきました。

081最後の岩場を登りきったら、五竜岳山頂への稜線に出ます。ここに「鹿島槍ヶ岳」への
分岐点があり、真っ直ぐ進むと五竜岳山頂、左へと進めば「八ツ峰キレット」を経由して
「鹿島槍ヶ岳」へと向かいます。 僕たちは雲上の人になりながら「五竜岳」の山頂へ
向かいました。

077そして、2日目にやっと、五竜岳の山頂に登頂出来ました!  やりました!
あれだけ心配していたのですが、高曇りで意外と景色がバッチリ見えました!

五竜岳山頂からの景色

072隣の「鹿島槍ヶ岳」です。双耳峰のキレイな形の山です。五竜岳山頂から見ると
隣なのでとても大きく見えて、大迫力な感じです。

073立山方面の岩の殿堂、「剱岳」です。 五竜岳から見る「剱岳」の形は端正な
感じで三角形に突き上げていて、とてもカッコ良く見えます。 僕個人的には
この五竜岳山頂から見る「剱岳」が一番好きです!

2日目。五竜山荘~遠見尾根~白馬五竜スキー場(約4時間)

082五竜岳山頂から、また五竜山荘へ登ってきた登山道を下りていきます。そして
テントを撤収して全ての荷物をバックパックに詰めていきました。 2日目の
ここからは、遠見尾根を下って、白馬五竜スキー場へと帰って行きました。

091遠見尾根へ下る前には、登山道は一度「白岳」という小さい峰を経由して
いきます。ここからは下っていく遠見尾根の全景が見渡せます。 そして、
ここから~西遠見までは一気に下っていきます。途中、鎖のついたとても
急なガレ場もあったりします。 慎重に下っていきました。

096西遠見までの急坂には、大きな階段もありました! 僕たちは下りだった
のですが、これを登ってくるのはとてもタイヘンなのではないかと思い
ました・・・。下りでも足が痛くなるほどの急坂の連続でした。

104西遠見~大遠見近くの登山道は、かなり木々や下草の笹が生い茂っていて
かき分けて進んでいくような感じのところもありました。 でも登山道は
良く整備してあり、しっかりしていて安心です。 ここまで下ってくると
バックには「武田菱」の岩形がある「五竜岳」が大きく見えていました。

108そして、この遠見尾根の登山道は「薬研堀り」のようなとても深く掘った
ような場所もありました。とても深いので、鎌倉街道を通っているような
気分でした。

1202時間半ほどで、中遠見に到着しました。遠見尾根は、西遠見、大遠見、
中遠見、小遠見、と、それぞれの小さい峰があり、一つずつを経由して
進んでいくのです。中でも、この「中遠見」が一番景色が良かったです。
バックには鹿島槍ヶ岳(左)や、今さっき居た五竜岳(右)も、全部
見えます! 素晴らしい眺めでした。

122そして、小遠見を通らずにショートカットして(ショートッカットする
道がある)遠見尾根の最後の下りをスキー場へと帰っていきました。
この辺りからは、雲が取れて白馬3山も見えてきたのでした。
白馬五竜スキー場のトップから~小遠見までは、トレッキングコース
として登山道は良く整備されていて、階段や木道などになっています。

124そして白馬五竜スキー場のゲレンデに到着しました。夏は、ここには
とても大きな高山植物のお花畑になっているのです。僕たちが行った
9月中旬は、秋の花がいろいろ咲いていました。

126そして、ゴンドラ駅に到着しました。これで今回の五竜岳・登山は
終了となります。ここから下りのゴンドラに乗って、一番下の駐車場
へと行き、八方尾根に置いてきた車を回収して松本まで帰って行き
ました。

010この時期の遠見尾根は、「りんどうロード」というぐらいに、りんどう
の紫色の花がたくさん咲いていました! とても可愛くてキレイなので
どんどん出てくるりんどうを辿って歩くのが楽しかったです~。

088そして、紅葉も始まっていました。 9月中旬だったのですが、今年は
とても早い色づき始めです。
117
今回は、雨ばかりの9月の中の1泊2日のテント泊登山だったのですが、
無事に五竜岳の山頂にも登れて、立山や槍ヶ岳~穂高連峰まで見えて、
ほとんど思ったことが成功でした。「ご来光」と「夕焼け」のショーは
見ることが出来ませんでしたが、雨が降らなかっただけでも幸いでした。
とても爽やかで気持ちの良い、秋の登山でした。

今回の「八方尾根~唐松岳山荘~五竜山荘~五竜岳~遠見尾根~下山」
ルートは、通常の登山ルートの1泊2日の登山です。しかし、稜線歩きや、
五竜岳山頂までの登山道は、岩場や鎖場がありますし高度感もあります。
そして、1日の行動時間が6時間以上もありますので、山岳ガイドさんと
一緒に行かれることをお薦めします。くれぐれも、安全登山で。
よろしくお願いします。

【2016年9月15~16日 登山者・記事 ハタゴニアン】