時計博物館の建物の一角に2012年から始められた「レストランあぐり」があります。農業を連想する店名は、安曇野や大町にある店専用の農園で野菜を作るオーナーのお父様の名前からとられたとのことです。
ホテルマンだったオーナーはその後システムエンジニアや大手企業でのタフな業務経験を経て、自分自身が食べたいと思うレストランがないことに気づき、できる限り自然のもの、身体に優しく毎日食べても負担にならないものを提供する店を作ろうと思いました。
例えばビーフシチューは野菜、ワイン、肉、塩だけで味を作り出します。香辛料や香草は使いません。
ハンバーグ、パスタなども同様に安全で安心できる素材だけを使っています。
料理を担当する奥様はパティシエでもあり、素材良さはもちろん、スタイリッシュでアイディア溢れるスイーツを作り出します。
店内は落ち着いた色彩で統一され、落ち着いて過ごせる椅子やテーブルがゆったりと配置されています。壁の一部には北原裕美、田之上尚子の作品が美術画廊レベルの照明の下、店内の雰囲気に寄り添って展示されています。
お客様にゆっくり楽しんでもらえる店、本当の意味で美味しいものを提供するため化学調味料を使わない、仕込んだものを次に持ち越さないなど、品質に対する姿勢は徹底しています。そのため品切れの場合は店を早く閉めることもあります。ただ、そういったことは声高には謳っていません。敷居は高くありませんが、本来のレストランの意味である「元気を取り戻す場所」として心静かに訪れたい店です。