『ようこそ、革命シネマヘ』
松本市Mウイング6階ホ-ル
1956年の独立以来、常に国内に紛争を抱えてきたスーダン。クーデターにより政権は幾度となく変わり、1989年にはイスラム急進派による軍事政権が成立、長期にわたる独裁的な支配を続けていた。その間にも史上最悪と言われるダルフール紛争を始め、内戦や南スーダン独立(2011年)が続き、難民や避難民となったスーダンの人々は数十万人にのぼるとも言われている。
独立直後の1960〜70年代に海外で映画を学び、スーダンで映画作家となった人物たちがいる。イブラヒム、スレイマン、エルタイブ、マナルの4人だ。彼らの作品は海外で高く評価され、母国スーダンに映画という豊かな文化を根づかせようと切磋琢磨しあう仲間たちだった。1989年、映画製作集団「スーダン・フィルム・グループ」を設立するが、同じ年に軍事独裁政権が誕生し、言論の自由をはじめ様々な表現の自由が奪われる。かつて彼らが作った映画も発禁処分にあい、彼らは思想犯として拘禁されたり、国外への亡命を余儀なくされていた。
長い年月を経て、4人は母国で再会する。スーダンの映画産業はすでに崩壊し、かつてあった映画館もなくなっていた。「映画を再びスーダンの人々のもとに取り戻したい」—— 還暦を過ぎた4人は、長年放置されていた屋外の映画館を復活させるために行動を開始する。公共の場での映画上映は、現在のスーダンでは困難を極めるものだったが、たとえ何かを犠牲にしたとしても映画への愛を貫くことに決めたのだ。これまでの苛酷な人生と同様、様々な障壁にぶつかりながらも、冗談を飛ばし、陽気に笑い合いながら、夢に向かって穏やかに力を合わせていく4人の映画人たち。彼らが失ったもの、そして作りたいと願った映像を通して、愛する国の美しさや恐怖が浮き彫りになっていく。(公式サイトより)