LGBTQについて考えるドキュメンタリー映画
松本市出身の和田萌監督作品
であること
6月12日 (土) 松本市Mウイング6階ホール
1回目 14時~15時34分 上映
上映に引き続きトーク
2回目 19時~20時34分 上映のみ
詳細後日
◆ドキュメンタリー映画「であること」
今まで私たちが生きてきた世界は、男性と女性だけに分けれられていました。そして日本ではまだその意識が強く残っていると感じます。しかし実際は多様な性が存在し、それが世界では当たり前になってきているように感じています。近年日本でも、ダイバーシティ・多様性という言葉を良く耳にするようになりました。そのなかで、私は人々が本当にその言葉の意味を理解できているのか?という疑問を持ちました。色々な人がいて、それこそ十人十色の生き方がある。その様々な生き方を知ってもらう機会が持てるドキュメンタリーを作りたいと思ったのです。2020年8月の10日間、計10名の方々からそれぞれの自分自身「であること」のお話をして頂きました。とても貴重な機会で、この10名の方々のそれぞれの思いが詰まったドキュメンタリーになっていると思います。まだまだ固定概念などが強く残るこの国で、それぞれが自分らしく生きていく姿を観て、聞いて、感じて頂きたいと思っています。知りたい方、知ってもらいたい方、知るべき方、すべての方に見て頂きたい映画が出来上がっていると思います。◆出演者(順不同・敬称略)・あべさきよ(俳優、ナレーター)・伊藤あかり(朝日新聞社かがみよかがみ編集長)・市川ひろし(パフォーマー)・錦光山雅子(元新聞記者)・匿名(テレビ番組制作)・匿名(会社員)・西村宏堂(僧侶、メイクアップアーティスト)・セクシーDAVINCI(雑多エンターテイナー)・ビビー・ジェローデル(ドラァグクイーン)・Amanda Blumenthal(Intimacy Professional Association会長)*Zoom出演◆出演者の皆さまより映画に向けて~トランスジェンダーの友人~信頼する西山さんからのお声がけだったので、二つ返事で出演をOKしました。自分の生き方において、あらためて大切なものや失いたくないものを再確認できる機会になり、感謝してます!自分には特殊なスキルも何もありません。なので自分のリアルを話すことしか出来ませんが、それが観て頂いた皆様にどう伝わるのか…気になるような、正直怖いような気持ちではあります笑。是非、たくさんの方の目に触れて、「普通とはなにか」を考える機会になればと思い。~Xジェンダーの友人~今、LGBTQとして生きるという道は、先駆者の人達により切り開かれ、獣道からはずっと歩きやすくなりました。しかし、その道はまだマジョリティの道と比べたら、細く、アスファルトで舗装されているとは言えません。なので、この映画を通じて、この先の道がさらに歩きやすくなる未来を願っています。~男性同性愛者の友人~どのセクシャリティーの人にも観てほしい。もう一度「平等」を考え直すいいきっかけになると思います。自分は自分で、人は人。全員人間で同じ生き物なんだよね。◆プロデューサー初めまして、西山ももこです。普段はテレビやCMの海外ロケコーディネーター、海外クルーによる日本でのロケ、国内番組制作、通訳などをしています。自粛中に日本にはまだオフィシャルに存在していない新しい職種、「インティマシーコーディネーター」の資格を取得しました。インティマシーコーディネーターとは、映画やテレビなどのセックスシーンやヌードシーンで、制作と俳優の間に立って調整をする仕事です。ロサンゼルスとのオンラインでトレーニングを受けました。その授業の中でジェンダーに関し広く学び、それをきっかけにジェンダーについて考えるようになりました。映像を作りたいと思ったきっかけは、ある番組の制作会議で出た『ゲイについての話しは触れられないなぁ』という言葉でした。正直、え?なんで??そこ特別枠なの?と驚き、大きな違和感を覚えたのです。個人的に思うのは、テレビの制作現場は本当に男性社会だということで、残念ながら時代錯誤な考え方を持つ方もなかなか多いのです。視聴者の多くは「今」の感覚を持っていて、「知らなかった」では許されない時代なのに、それがまかり通っているのが実情です。普段の仕事の中でも、違和感を感じることは日常茶飯事なのです。今回のドキュメンタリーをできるだけ多くの方に観ていただきたいと思っています。そして特に、多くの方に影響を与えるテレビ制作に関わる方々に観て頂きたいと思っています。LGBTQとひとくくりにされる人たちは、本当にマイノリティなのだろうか?マイノリティという言葉を使うのが正しいのか、彼らが何を思い、どういう表現を嫌い、受け入れているのか。本当のとこを聞いてみたい、知る事によって、作る人も見る人も安心して見れる映像がもっと増えていくんじゃないかなと思っています。監督は和田萌。10年来の仕事仲間、そして私の友人です。映像を作る!と決めた時、真摯に「生き方」のドキュメタリーを作れるのは和田萌しかいない!と確信し、すぐに相談。彼女も「やる!」と即答。じゃぁカメラマンはどうしよう、繊細にもなりうる内容。カメラマンは被写体に一番近い存在でもある。真摯に向き合ってくれるカメラマンを探そうと決めました。さらに今回はテレビ/映画という枠で考えず、新しい形でやってみたいとも思っていたところ、映画やドラマの撮影をしている佐藤康祐さんが快く引き受けてくれました。驚くほどにとんとん拍子に物事が進み、8月にはすでに撮影がスタートしていました。ありがたいことに、本当に多くの方々にサポートして頂き、更に色んな方をどんどん巻き込み続けながら進んでいます。映画制作への思いなどを、朝日新聞デジタルの女性たちが自己表現の方法を見つけ、コンプレックスへの見方を変えるメディア「かがみよかがみ」で取り上げて頂きました。◆監督はじめまして、監督を務めました和田萌です。これまでにもNHKやMBS「情熱大陸」などの多くのドキュメンタリー番組を手掛けています。この映画はLGBTQと呼ばれる人たちに、西山ももこという人を通してカメラを向けたドキュメンタリー…として撮影をスタートさせましたが、撮っていくうちに、そもそも人を性別などでカテゴライズする事に疑問を感じるようになり、そしていかに自分が、世の中をタグ付けして、それに当てはめて生きたきたか、ということを考えるようになりました。女であること、アラフォー、バツイチ…色んなタグを私も持っていますが、そこにはストーリーや色々な考え方があるし、こうしなければならない、とかいう決まりは全くないはず。このドキュメンタリーは、西山ももこを筆頭に、独自で多様な、素敵な生き方をしている人たちのドキュメンタリー。そして、私はこれを撮って、今編集していますが、その生き方を目の当たりにすることで、どんどん色んな呪縛から放たれている気がします。世界はもっと広くて、自由!観てくれた人にも、その体験が伝わりますように…(編集がんばります。)プロフィール:2007年よりオルタスジャパンにてドキュメンタリーの演出家としてNHKや毎日放送「情熱大陸」を中心に番組を制作。2010年ATP新人賞、2018年放送文化基金賞、2020年ギャラクシー月間賞などを受賞。○八十歳の漂流俳優ヨシ笈田 三島が託した日本(2014年WOWOW)○野村萬斎×シェイクスピア(2016年BSフジ)○銀嶺の空白地帯に挑む・カラコルム シスパーレ(2018年NHK)○日曜美術館 写真家・大石芳野(2019年NHK)○情熱大陸「ピアニスト 反田恭平」「稲垣えみ子」「音楽家 原摩利彦」「絵本作家 ヨシタケシンスケ」他多数など(毎日放送)◆「であること」制作スケジュール8月 撮影9月 トレーラー完成10月 1回目プレビュー11月末 最終プレビュー、カラコレ12月 完成予定◆スタッフ監督・編集 和田萌プロデューサー 西山ももこ撮影 佐藤康祐Bcam 太田英構成 重乃康紀音楽 原摩利彦製作 エポックル株式会社◆想定されるリスクとチャレンジ低予算、短期間で製作された作品なので、広告・宣伝にはお金をあまりかけられません。だからこそ多くの映画祭には出したいと思っています。少しでも多くの皆様に知ってもらえるよう地道に活動していきたいと思います。強い思いで制作していますが、誰にでも刺さる内容ではないと思っています。分かりやすく作るのか、それとも自分達が納得できればいいのか。常にジレンマと葛藤の嵐です。作ったけれど見てもらえない、評価してもらえないリスクはあると思いますが、リスクと考えず前進していければと思います。◆最後に映像を作りたいと思い作った。本当にスムーズに物事が運び、浮かれていた部分はある。上手くいく、意義のある作品だ!と。でもロケが始まり、その自信は段々不安に変わってきた。自分たちがやろうとしている事は、はたまた必要なのか、ただのおせっかいではないのか、意味があると思ってたけど、ないんじゃないかと。進みながらも悩み続けました。何度もクルー全員で話し合いました。いまでも答えは出ていません。でも私にとっては愚痴を言う、不満をいう事だけでなく、形にすることが前に進むためにも必要だったんだと思っています。この映像を作る過程で、私たちは自分たちの使う言葉に前より少し敏感になった気がします。例えば、無意識に使っていた「普通」という言葉。でも普通ってなに?私にとっては普通でも他の人にとっては違う可能性もあるよね、と意識する癖がついた気がします。それはとても小さい事だけど、大切なことでもあるんじゃないかなと思います。何か感じてもらえる、共感してもらえる部分がある映像になっていればいいなと思っています。
皆さまのご支援、ご協力どうぞよろしくお願いいたします。(公式サイトより)