建物も調度品・照明も民芸ギャラリーのよう 「薬師平茜宿」

文化
Fri, Mar 16, 2018
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建物も調度品・照明も民芸ギャラリーのよう 「薬師平茜宿」

薬師平茜宿は、松本市の南東 「崖の湯温泉」 にあります。

建物や調度品、照明に目を奪われてしまいました。

40年ほど前に新潟県糸魚川から築150年の合掌造りの建物を移築したとのこと。
ということは、構造材は200年ちかくもの時を経ていることになります!
この建物には食堂があり、2階も見学できるようになっています。
日帰り入浴の方も事前に連絡すれば、12時から13時までは食堂でお食事(軽食:蕎麦・丼・定食)ができます。(繁忙期には要望にそえないこともあるそうです。)

民芸食堂
合掌造りの2階

和会席料理と入浴がセットになった日帰りプランもあります。
詳しくは薬師平茜宿のホームページをご覧ください。

合掌造りの建物だけではなく、もう1軒古民家が移築されていました。
平成10年(1998年)に160年ほど前に建てられた民家が新潟県から移築されたと案内板がありました。

中央には囲炉裏があり、会議にも使える大きな部屋になっていました。
12~15人で使用できるとのことです。
天井が高いです!ピアノもあります。

移築された古民家

2階には全国から集めた箪笥がたくさんあり、ギャラリーになっていました。
日帰り入浴の方もフロントに声を掛ければ見させていただけます。

全国のタンスギャラリー

この宿の玄関は本棟造りになっていて、移築した合掌造りと古民家にも外を歩くことなく行き来ができます。
いったいどんな風にくっついているのだろうと、頭が混乱しました。

あちこちに素晴らしい照明がありました。
ステンドガラスのものは、金工職人の飯野歌之助さんが作った照明だと思われます。
「信州民芸 第11号」(平成29年3月31日発行)に飯野歌之助さんの特集が組まれています。
宿に来たお客さんの評判も良く、「欲しい」と言う方もいるとのことです。

飯野歌之助さんは、1921年に東京で生まれました。終戦直後に松本に移住。
松本の街には飯野さんの造った看板や照明などが数多くあり、民藝の街に彩を添えています。

宿全体がギャラリーになっているのではないかと思うほど、至る所に味わい深い調度品があります。
海外から来た方も大変満足されるそうです。

日帰り温泉に行っても、館内を味わう時間を設けたいですね。

【市民記者 こばやし】