奥又白池

所要時間:約9時間30分  レベル:
山行日: 2007.01.12
97
標高:約2470m
奥又白池

今回は、山頂ではなく 北アルプス 奥又白池 を紹介します。
奥又白池(おくまたしろいけ)は、前穂高岳の南東に位置し、前穂高岳東壁を目指すクライマーのキャンプ地としても利用されています。井上靖の「氷壁」にも登場する場所です。標高は約2470m。
奥又白池登山ルート地図
登山計画書の提出先は松本警察署 メールでも提出できます→こちら

アクセス方法

<マイカーの場合> 松本市から、R158で上高地へ向かいます。マイカー規制があるため沢渡(さわんど)で駐車(1日500円)してシャトルバス(片道1,000円 往復1,800円)に乗り換え。タクシーも利用可。松本から(1時間)→沢渡(バス30分)→上高地
シャトルバスのバス停ほか情報
<公共交通の場合>
松本駅から(松本電鉄 電車30分)→新島々駅(バス65分)→上高地
松本バスターミナルから(バス100分)→上高地
電車+バス 松本〜上高地の時刻表

上高地〜新村橋 140分

上高地バスターミナル(標高約1500メートル)から河童橋の脇を通り梓川に沿って歩きます。約1時間毎に宿泊施設「明神館」〜「徳沢園」があるので水場・トイレがあります。徳沢から先はトイレはありません。新村橋(しんむらばし)まではほとんど平らです。

新村橋〜奥又白谷分岐 80分

新村橋からはしばらく舗装はされていませんが車道を歩きます。と言っても車はほとんど通りません。車道を外れて西に向かいます。ここから登り坂になりますが、まだまだ序の口です。奥又白谷のこの道は、奥又白池に向かう中畠(なかばた)新道と涸沢に向かうパノラマコースに分かれます。分岐のあたりは大きな石がごろごろしています。

奥又白谷分岐〜奥又白池 140分(休憩含む)

真ん中の山に登っていく
↑真ん中の山に登ります 左の枯れ沢は松高(まつこう)ルンゼ
こんなところもルートここから先が大変です。登山道を地図で見ると点線で「熟達者向」となっている理由がよくわかりました。上り口から急です。ここで急激に気が引き締まります。木の根っこをつかんだり、石をつかんで腕と胸の筋肉も活躍させながら登って行きます。登山道は細く、熊笹が生い茂っています。この熊笹がとてもありがたく感じました。笹がなければ下がまるまる見えてしまい、高所が苦手な私には恐怖心が押し寄せてきたことでしょう。とにかく細い道なのですれ違いも困難な場所が多いのですが、この時は誰にも会わずすれ違うことはありませんでした。
地図を見るとわかりますが、急坂のため足の運びが悪くなってきます。いつまでこんな思いをするのだろう、もうクタクタと思ったところに奥又白池が現れます。天空のオアシスのようです。素晴らしさに疲れが吹っ飛びます。

奥又白池

奥又白池に到着奥又白池に着いたのは11時20分でした。素晴らしい眺めのため2時間近くもいました。
紅葉シーズンのため他にも人が登ってきそうでしたが、私たちのグループのほかには誰も登って来る人はいませんでした。奥又白池を独占状態です。
天気は悪くはありませんでしたが、10月の標高2470mはじっとしていると寒くなってきます。ダウンジャケットと合羽を着ました。

池に映る前穂北尾根紅葉もきれいな奥又白池
↑池の向こうに見える山が前穂北尾根

奥又白池〜奥又白谷分岐 140分(休憩含む)

池から少し下ったところ帰りは楽だと思っていたのですが、下りの急坂は注意深く足の位置などを考えながらだったので頭も疲れました。休憩時間は登りよりも少なかったのですが、同じくらい時間がかかったのでどれほど慎重だったかわかりますよね。

奥又白谷分岐〜新村橋〜徳沢ロッヂ 70分

徳沢ロッヂの豪華な夕食新村橋までは50分くらい、そこからさらに20分で徳沢に到着します。奥又白谷分岐までの下りで予想以上に時間がかかってしまったために徳沢に着くころには薄暗くなってきていました。徳沢ロッヂには午後5時10分ごろに到着しました。夕食は5時30分からだったので間に合って良かったです。2007年の秋は横尾山荘が改修中で休業だったため混むことが予測されたので前もって予約しておきました。紅葉シーズンは予約をお薦めします。
今までの中で一番きつい登山道でした。槍ヶ岳までの道がとても楽だったと思いました。一本道なので迷うことはないと思いますが、危険箇所など道を良く知っている人と行くことをお薦めします。
この山行の翌日は涸沢に行きました。行きの道は徳沢経由でしたが、帰りはパノラマコースを通りました。涸沢からパノラマコースへの登りの道が筋肉痛で大変でした。新村橋から上高地までの平らな道が筋肉のクールダウンにはちょうど良く感じました。
奥又白池に又行くことがあれば、それまでに十分な筋肉トレーニングをしておきたいものです。
  【登山者・記事 アルプスちえみ】