やまたみ登山学校 第11回机上講習「観天望気について」

Wed, Feb 6, 2008
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やまたみ登山学校 第11回机上講習「観天望気について」

観天望気を学ぶ第11回目の机上講習は観天望気(かんてんぼうき)について教えていただきました。
「観天望気」って知ってましたか?私は始めてこの言葉を知りました。自然現象をもとに天気を予測することなんですね。
自然現象から天気を予測することも大切な登山技術の一つ。感性と五感で天気を予測するのも山歩きの楽しみになるようです。さて、どんなものがあるのか学びましょう。

目に見える形で天気の変化を知らせてくれます。形や変化の様から情報を読み取りましょう。
1、悪天に向かうときの雲の変化
 雲が厚く、暗く、重い感じになって高度が下がっていく。
2、レンズ雲(笠雲)
 山を乗り越える時に生じた気流の上下動がそのまま波となって発生したレンズ型の雲で、天気が下り坂のときに見られる。

1、風上側は曇天、風下側は好天
 湿った空気が山を越える時、山の風上側は雲が発生しやすく、雨や雪が降る。風下側は下降気流のため雲やガスは消える。
2、山風と谷風
 日中は山麓から山頂に向かって風が吹く(谷風)。 夜間は山頂から山麓に向かって風が吹く(山風)。 天気が安定しているときはこのような現象が保たれるが、乱れている時は天気が変化する兆し。

気温

夜間が冷え込むと翌日は好天になる。夜間に雲がないときには放射冷却で気温が下がる。翌日は好天になりやすい。

視界

ものがはっきり見えると悪天。気圧の谷が接近すると大気が乱れて霞やモヤが分散するため下界や遠くのものがはっきり見える。

星の瞬きが激しいのは悪天。上空の風が強まったり、上空の空気の層に寒暖の境ができると星の光が屈折していつもより激しく瞬いて見える。

遠くの音が聞こえたら悪天。気圧の谷が近づくと空気は湿気を含んで音の伝わりがよくなる。

朝焼け・夕焼け

焼け方が赤から黒味がかった異常な焼け方をする時は、天気が悪化する前兆。発達した低気圧の接近時に水蒸気が多くなり起きる現象。

上高地の観天望気

1、焼岳の煙が上高地のほうへ流れると天気が崩れる
2、西から六百山へ向かって雲が流れると天気が悪くなる
3、焼岳の中腹まで雲が下がると雨になる
4、秋の朝の気温がなま暖かいと雨になる
5、キジバトが激しく鳴くと雨になる (←本当か不明)

天気のことわざ

1、燕が低く飛ぶと雨(湿気のために虫が高く飛べないため捕食する燕も低く飛ぶとの説)
2、雷三日(寒気が三日くらい停滞するため)
3、子供が騒ぐと雨(低気圧が近づくと神経に障る?)
4、猫が顔を洗うと雨(顔をなでる手が耳を越えると雨になるという話もあり)
ことわざは、どこまでが信用できるか怪しいものもあります。

<記者の感想>
観天望気は経験と観察力がないと難しそうです。子供の頃に母から雲の流れ方で天気がどうなるか教えてもらったことを思い出しました。意外と知らずに身についている事もあるかもしれません。たまに肌で感じることもありますよね。「上高地の観天望気」のような地方ならではの観天望気も調べてみると面白いかもしれません。
          【記者:アルプスちえみ 2月5日実施】