雨飾山

レベル:
66
標高:1963.2m
雨飾山

雨飾山(あまかざりやま)は長野県小谷(おたり)村と新潟県糸魚川(いといがわ)市にまたがる標高1963.2mの山。日本百名山の一つ。間近に北アルプスと日本海が見られることで人気の山です。ブナの原生林が心地良く、紅葉シーズンは見事です。
登山口は長野県側には雨飾高原キャンプ場登山口と大網登山口があり、新潟県側には雨飾温泉登山口があります。
今回ご紹介するのは雨飾高原キャンプ場登山口からのルートです。
トップページでは念のため難易度を「トコトコ」にしましたが、難易度はあまり高くなく「トコ」×1.5くらいです。

アクセス

登山口までのバスはないため、雨飾高原キャンプ場登山口へはマイカーまたはタクシーがお薦めです。
高速道路を使用しない場合、松本から登山口までは途中何度か休憩しながら、車で2時間30分程度かかりました。豊科I.Cまで長野自動車道を利用すればもう少し早く行くことができます。小谷温泉を目指し、どんどん上って行きます。途中で雨飾高原キャンプ場の案内板が出てきます。大雑把な案内ですみません。
バスを利用する場合はこちらのサイトをご参照下さい→小谷村村営バス時刻表

雨飾高原キャンプ場登山口~荒菅沢 90分

標高約1150mの登山口からスタート。登山口から1分もしないところに使用済み携帯トイレ回収BOXが設置されていました。携帯トイレはキャンプ場の受付に用意されています。この先トイレはありません。駐車場の脇の建物が唯一のトイレです。
10分ほど木道を歩きます。ミズバショウの大きな葉がありました。春には美しいミズバショウの花が見られそうです。川には魚も泳いでいました。禁漁区なので魚も安心して泳いでいるのでしょう。

木道が終わると階段状の登山道になります。時々麻袋が階段状に敷かれていました。とても歩きやすかったです。
荒菅沢に行くまでにぐ~っと下ります。その下る直前のピークから見る景色も最高です。
写真の右下の赤い点が荒菅沢と登山道が交差する所です。


荒菅沢~笹平分岐 60分

荒菅沢(標高約1440m)で雨飾山方面を見上げるとガスがかかっていました。前日の天気予報では北信(長野県の北側)は雲と晴れマーク、新潟県は晴れマークだったのに~“晴れますように!”と祈りながら登りました。
荒菅沢から登っていくとさらに霧が濃くなってきました。遠くが見えないため400m間隔で設置されている標識がとても励みになりました。景色が見えなくても大体の位置がわかると頑張る気力がわいてきます。
荒菅沢から40分ほど歩いたところから傾斜が一層きつくなります。ハシゴもあります。このハシゴは昨年新しく取り付けられたようです。アサヒビールの寄付金で整備されたと書かれていました。私はビールを飲めませんが、“飲むならアサヒだね!”と思ってしまいました。

笹平分岐~雨飾山山頂 30分

笹平(標高約1890m)まで来ると名前の通り平らになります。多少のアップダウウンはありますが無いに等しいようなものです。
以前登ったときにはここまで来るのに疲れてしまい、もう~だめ~と思ったのですがこの10分程度の平らのおかげで生き返り頂上まで行けたのです。そのときは笹平から雨飾山山頂が見えて傾斜がとても登れるようには思えませんでした。
今回はガスのため笹平から坂の様子が全く見えずコツコツと登っていたらあっという間に山頂に着いていました。10分くらいでした。


雨飾山山頂

登りきったところで左右に道が分かれています。右に行くと北峰、左に行くと南峰です。二つの頂は1分程度の距離です。
北峰には石仏と祠があります。南峰には三角点と雨飾山山頂の標示があるので南峰のほうが人が大勢いました。
頂上も霧が巻いていて期待していた北アルプスも日本海も眺めるどころではありませんでした。じっとしていると寒かったので15分程度休憩してすぐに下り始めました。

雨飾山山頂~笹平分岐 30分

下り始めて平らな所まで来ると霧が晴れ始め、下の様子が見えてきました。眼下には素晴らしい紅葉が広がっていました。新潟方面も見えてきました。海岸沿いの町の連なりも見えます。海と雲の境がわからなかったのですが、町の建物らしき白い色から先が海だったと思います。
笹平の向こうに見えるのは鋸岳、鬼ヶ面山、駒ケ岳だと思います。


笹平~荒菅沢 60分

下り道は眼下に広がる紅葉に目を奪われながら歩きました。

荒菅沢~登山口 75分

荒菅沢から上を見ると見ごたえのある岩壁の布団菱(ふとんびし)が見えます。
荒菅沢の水は飲めるので水筒に水を汲んだり、その場で飲みました。おいしい水です。
荒菅沢から少し登った場所で振り返ってみると素晴らしい紅葉景色でした。
動画を撮ったのですが、メモリーの容量が気になってちょっと目が回りそうなスピードで撮影してしまいました。 荒菅沢周辺の美しい紅葉
ブナ林に陽が差し込み紅葉が一層美しく目に映ります。

お薦めの紅葉スポット

雨飾高原キャンプ場から車で5分くらいで鎌池(かまいけ)に行かれます。
鎌池は名前の通り鎌の形をした池です。標高1160mくらい。
紅葉シーズンのため平日にもかかわらず観光客と三脚を抱えたカメラマンが大勢いました。
鎌池の隣には鉈池(なたいけ)があります。鎌池とは違って人がほとんどいない静かな場所でした。静寂さが一層水面を美しく見せているように思えました。きれいな透明な水で魚が集団で泳いでいる姿が見えました。
  
鎌池の近くに茶屋があります。たくさんの写真が飾られているのですが、その中で一番大きな壁一面の大きさの写真には雨飾山が写っていました。教えてもらわなければ気付かなかったのですが、その雨飾山の写し方は「うわ~、にくいね~」と言いたくなるような粋な写真です。撮影したのはプロのカメラマンの林(りん)さんです。みなさんにぜひご覧いただきたい写真です

お薦めの温泉

小谷温泉には野趣あふれる露天風呂があります。
ブナ林の中にかけ流しの湯船があるだけの素朴な温泉で自然そのものを満喫できます。
入湯料は寸志です。入浴可能時間は午前10時から午後9時まで。冬期は休業なので5月から11月中旬ごろまでの営業のようです。
雨飾荘を目指していくとわかりやすいと思います。 雨飾荘の地図

感想

雨飾山に登るのはこれで3回目です。最初に登ったときに頂上から海が見えてとても感激したことを覚えています。そのほかの辛かったことなど忘れてしまい、その後友人を誘って再度登ったときに「こんなに大変だったっけ?」と思ったほどです。友人を誘うときに良い事ばかり言っていたのでだましてしまったような感じでした。また行きたいと思う山になるには天候と思い出が重要ですね。
今回登ってみて「坂がやっぱりきついな~」と思いましたが、紅葉が素晴らしくてきつさを忘れてしまいそうです。
毎回秋ばかり登っています。夏の暑い時期に汗だくになって登るよりも涼しい秋に登りたい山です。本当に紅葉は最高です。登山口までの道中の紅葉も素晴らしいのでお見逃しなく。わき見運転には十分注意してくださいね。
【登山者・記者:アルプスちえみ】