旅行者と郷土の人々に愛された染色工芸家「等々力美波展」

2018.5.20
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旅行者と郷土の人々に愛された染色工芸家「等々力美波展」

松本市大手4丁目上土にある「古本喫茶想雲堂」で5月12日から始まった

「等々力美波展」

を見に行きました。

 

 

古本がすらりと並ぶ店内のあちらこちらに「等々力美波」さんの作品が展示されています。

高山植物がモチーフ

染色工芸家・等々力美波さんの作品は、今でも松本付近の方のお宅に大切に使われたり、大切に保管されている日常使いのものを多く作られたようです。
展示が始まってから、何人かの女性のお客さんから「家にもあるよ」と言われたと店主の渡辺さんはおしゃっていました。

 

高山植物の栞・ブックカバー

山に囲まれた土地から受ける自然豊かなデザインの数々
北アルプスの山々、かわいらしい高山植物などが多くモチーフになっています。

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バックや小物も今でもあれば人気が出ると思われる普遍的なデザインのように思います。

 

アイヌ模様

お土産ものも多く作っています。松本城だけではなく、アイヌ模様をあしらった作品などもありました。

 

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企画展までの経緯

今回の企画展の経緯を店主の渡辺さんに伺いました。
近所にあったお土産屋さんの廃業に伴う在庫セールの際、奥様が一目惚れして購入したそうです。店内に飾っていたのを見たお客さんが遺族とお知り合いで遺族や知人からお借りして展示することが出来きたそうです。
魅力は?「素朴な感じがして馴染みやすくしかも作家性が高いと感じています」

松本市在住の民芸作家として著名な三代澤本寿のもとで染色を学ぶ。
その後洋画家である父・等々力己吉(とどろきみよし)の図案をもとにした染色画や、財布やブックカバー・栞・テーブルセンターなど日用品を素材に染色を施した工芸品を、主に「みやげもの」としてつくる。
鉱山植物や北アルプスの山々をデザインしたものが多い。

【等々力美波さんに関するデータ】以下日染工房さんHPよりいただきました。

美波染め

信州安曇野を囲む美しいアルプスを訪れる人々の心を和ませ、楽しませる可憐な夢のように美しく咲き乱れる高原植物(コマクサ・水芭蕉・シャクナゲ・クロユリ・シラネアオイなど)はアルプスの山々を手染めに独特の手法で染め上げました。
身近に親しめるブックカバー・テーブルセンター・財布・しおりなど30種類が揃っております。「美波染め」の図柄は⑰日染工房の主人、等々力美波の父親で洋画家でもある故 等々力巳吉氏の筆によるもので、日本アルプスの麓穂高町に生まれ、一水会会員として中央で活躍し、故郷の自然もこよなく愛し、数々の作品を残しましたが、その遺作の原画をもとに「美波染め」として再び生まれ変りました。
信州を訪れ、山を愛し、高山植物を賞する皆様に少しでも役立てば幸いと存じます。

プロフィール

1923年 洋画家等々力巳吉(一水会会員)の次女として、穂高町柏原に生まれる
1940年 十文字高等女学校卒業
1942年 大妻技芸学校卒業
1952年 三代沢本先生(国画会審査員)のもとにて染色を手伝う
1953年 中信美術展、県展第四部に初入選
1968年 北海道庁より依頼され、北海道開拓百年記念テーブルセンターを制作
松本市より依頼され、国宝・松本城歴代城主紋章瓦デザインテーブルセンターを制作
長野女子短期大学より依頼され、同校創立記念ブックカバー(A5判)を制作
軽井沢町より依頼され、保健休養地”軽井沢100”記念テーブルセンター制作
1969年 アイデアを生かして⑰日染工房設立、染色工芸土産品の制作を始める
1975年 彫刻家小林章先生の勧めにより、長野県彫刻工芸展に出品
1982年 中信美術会、信州美術会、蒼騎会の各会員になる
1987年 穂高神社主催「穂高の工芸作家二十人展」に出品
1988年 穂高神社主催「穂高の工芸作家二十人展」に出品

展示を楽しみカレーとケーキも!

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展示を楽しんだ後ミニカレー(500円)とデザートにラムレーズンアイスケーキ(400円)を頂きました&生ビールも!(^^)!

展示をご覧になるだけでも、入れますのでお気軽にお越しください。

6月3日まで開催しています。(月曜日休み)